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建設業の人手不足を解消できるかもしれない期待の新技術!~建設用3Dプリンター~

2024.08.19

建設業の人手不足を解消できるかもしれない期待の新技術!~建設用3Dプリンター~

Technicalnote 技術情報

お世話になっております。キャディアンです。コミック連載開始から50年以上が経った今もテレビアニメや映画が続いているドラえもんですが、長い歴史の中で様々なひみつ道具が登場しました。そんなドラえもんのひみつ道具は、実は現代で実現しているものもあるんです。「そっくり銅像キット」という人物の写真を撮ると、写真そっくりの銅像ができあがるひみつ道具は3Dプリンターそのものではないでしょうか?

今回は建設業における人手不足の解消に活用が期待される「3Dプリンター」についてご紹介します。



3Dプリンターとは

3Dプリンターとは、3Dモデルを元に立体物を生成できる装置のことです。当初は製造業を中心に産業用で使用されていましたが、特許保護終了を機に個人で所有が出来るほど安価な製品も登場しました。建設用の3Dプリンターは2010年代の後半に開発が大きく進み、2018年には米国の建築基準を満たす住宅が3Dプリンターで建設されました。日本では2023年に3Dプリンターを用いて建てられた延べ床面積50㎡の住宅が550万円で一般販売され話題になりました。



建設業における人手不足の解消

建設用3Dプリンターを活用することで建設業における人手不足の解消につながると言われています。従来の工法と比べて施行期間を大幅に短縮でき、上記でご紹介した3Dプリンターを用いて建てられた延べ床面積50㎡の住宅ですが、なんと44時間30分で竣工したそうです。活用の幅は住宅だけではなく、埋設型枠を建設用3Dプリンターで作成することで埋設型枠設置にかかる施工期間を60%短縮できた例もあります。



複雑な構造にも対応可能

建設用3Dプリンターは工期短縮だけではなく、曲線形状などの複雑な構造物も容易に造形できるというメリットがあります。大阪電気通信大学では3Dプリンターを用いた造形デザインコンペを開催し、曲線が多用されたデザイン性の高いベンチが制作されました。デザイン面以外では、排水パイプ打設箇所用の法面ブロックを3Dプリンターで制作することにより、ブロックの緩みを少なくなり、人の手でコンクリートを間詰めする手間が削減できます。複雑な形状に対応できるということは合理的で安全な施工を実現することにもつながります。



高いコストパフォーマンス

建築物に欠かせない木材や鉄ですが、その価格は世界市場の影響に大きく左右されます。木材は約6割が輸入、鉄にいたっては原料の鉄鉱石を100%輸入に頼っています。木材に関しては、コロナの影響で郊外での建築需要が増えているにも関わらず、気候変動による生育の不安定化、森林火災による焼失で林木が不足し、ウッドショックと呼ばれる価格高騰が起きています。鉄の価格高騰(アイアンショック)については、中国での鉄の需要が戻ったことや輸送コストの増加などが原因とされています。3Dプリンターでの建築は木材や鉄の使用量が少ないこと、施工期間が短いことによって人件費が圧縮される点から低価格な施工が実現できます。



まとめ

建設用3Dプリンターは【施工期間の短縮で人手不足の解消】【複雑な構造にも対応可能】【高いコストパフォーマンス】といった特徴があり、建設業で活用が期待されている技術です。キャディアンでは3Dプリンターに関わる案件を取り扱ったことはありませんが、3Dプリントには点群データも活用されているそうです。点群データの計測でお手伝いできることがございましたら、ぜひご相談ください。

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